大阪市の国立国際美術館で10月14日まで開催されている、『プーシキン博物館展 -旅するフランス風景画』へ行ってきました。非常に興味深い特別展だったので、今回紹介したいと思います。
おいでよプーシキン美術館展
現在、大阪市にある国立国際美術館でプーシキン美術館展が開催されています。ロシアのプーシキン美術館に収蔵されている名画の数々が来日し、日本の主だった美術館で展示される特別企画展です。
プーシキン博物館はロシアのモスクワにある美術館で、規模はヨーロッパ最大、収蔵作品は約10万点で世界第二位という、非常に規模の大きな美術館です。
フランスの産業革命
19世紀前半にフランスに登場した蒸気機関車は瞬く間にフランスの主要な都市を結び、生活エリアは急激に拡大します。特に当時流行ったのがバカンス。パリ市民は長期休暇を利用し昔ながらの自然が残る南フランスへ旅行をするのが流行しました。
また1841年に、美術界では使い捨てができるチューブ型の絵具が発明されました。今までは必要な分を作らなければいけなかった為、絵が描ける場所が限られていたのですが、現在でも利用されているこの絵具のチューブのおかげで、画家は遠くへ出かけてその場で絵画を制作する事が可能になりました。
プーシキン美術館にも南フランスののどかな風景を描いた作品が多く収蔵されています。蒸気機関車とチューブ型の絵具の誕生は、美術界に大きな影響をもたらしたのです。
ロシアの美術品収集ブーム
それからしばらく時が流れ、ロシアでも美術品を収集しようという意見が生まれます。富豪や資産家が出資してヨーロッパの美術品を多数購入、モスクワに美術館を建てて市民の美術教育に貢献しようと言う考えです。蒸気機関車や蒸気船の普及もあって、ヨーロッパで美術品を購入する事も可能になった事も背景にあったと思われます。
名だたる名画が勢ぞろい
収蔵作品はゴッホ、ルノワール、モネ、ピカソなど、錚々たる顔ぶれの名画が揃っており、今回のプーシキン博物館展でも日本初来日の作品もあります。特に絵画に詳しくなくても見た事のある作品があるはずです。
音声ガイドはマストアイテム
今回特にオススメしたいのが有料の音声ガイド。作品の解説を俳優の水谷豊さんが、コラムの解説を声優の上坂すみれさんが担当されているのです。ドラマ『相棒』が好きな方にとっては、水谷豊さんの音声ガイドは必聴モノ。『相棒』の杉下右京が後ろから説明してくれているようでした。
まとめ
サッカーW杯が終わると、ロシアは近くて遠い国に戻ってしまいました。日本人がロシアへ行くには、パスポートの他にビザが必要でかなり手間がかかるのです。
そんなロシアの美術館展がわざわざ大阪まで来てくれる企画は、名画を安上がりに見られるチャンスだと思います。