【帯状疱疹】突然の痛〜い湿疹、これって虫刺されとかじゃないの?

【帯状疱疹】突然の痛〜い湿疹、これって虫刺されとかじゃないの?

2018/06/08
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ある日突然湿疹のようなものが腰などに広がった。虫刺されにしてはやけに広範囲で、何よりかゆみよりも痛みが強い。これって何かに感染したのかな?病院にかかってみると、帯状疱疹という聞き慣れない病名を伝えられた。 かかってみて初めて知る疾患って結構ありますね。ではこの帯状疱疹ってなんでしょう。

帯状疱疹とは

帯状疱疹…たいじょうほうしん(Herpes zoster, Zoster)は、ウイルスによって引き起こされるウイルス感染症のひとつで、水痘・帯状疱疹ウイルス(英Varicella-zoster virus)によるものです。 一般的な症状として、発症の数日前から、足や指先など、違和感や疼痛、また倦怠感などを感じることが多く、その後「帯状」に赤い斑点や水疱が出現します。主にからだの片側にできるといわれていて、そう痒感や強い痛みをおぼえます。発症の場所は人それぞれですが、前頭部から髪の毛のある頭部や首から背中、腰のあたりなどに発現することが多いようです。

症状が出ているときの伝染の可能性は、体液の中に水疱を引き起こすウイルスが存在している可能性が高く、皮膚が触れ合う接触感染や、性交などによる体液の感染、またせきやくしゃみなどによって飛び散る飛沫も感染の可能性があります。妊娠中の女性が発症した場合については、赤ちゃんに先天奇形は起こらないといわれていますが、帯状疱疹自体、赤ちゃんに感染してしまうため、産婦人科で慎重な診察が必要といえるでしょう。また、年齢によって快復後の状況に違いがあることが多く、特に高齢者の場合神経痛が残ったりなどのケースがあります。

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帯状疱疹を発症する原因

帯状疱疹は人から感染して発症するというわけではなく、元々からだのなかに持っている水痘帯状疱疹ウイルスが活発になることによって発症します。ただ、子どもでまだ水痘を発症したことのない状態で接触感染してしまうといわゆる水ぼうそうとなってしまいます。快復後も神経系統にウイルスは潜伏して日和見状態となります。一度大きく発症すると、その後の再発は起こらない人もいたり、再発しても程度が低い人もあるようですが、再発は健康状態の低下に伴って起こります。

発症のトリガーは、過労などによる疲れが持続した状態やストレス。重度については、年齢に関係なく、若くても仕事が忙しく、休まず睡眠時間も少ない、そしてストレスも溜まっていくなどの状態は帯状疱疹を発症しやすいといえます。また、生活の環境が大きく変わったとき、例えば海外赴任で今までに無かった生活環境や異文化の中での暮らしで抵抗力が落ち、気づかないうちにストレスや疲労が蓄積していったりすると、短期間で帯状疱疹に至ることもあります。抵抗力の落ちた状態で抱えた疲れやストレスが続けば、重症度は増していきます。

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帯状疱疹の検査方法

おおむね症状で判断できる帯状疱疹ですが、どこに湿疹や水疱が現れるか個人によって特定できないため、似たような症状の中では自己判断で最も間違えやすい虫刺されや、皮膚炎、単純ヘルペス、水痘、自己免疫性水疱症、熱傷などと鑑別が必要です。 検査方法は、ツァンク試験といわれる水疱の内容を調べるものや、その他では、HIV検査などと同じように体内で抗体が生成されているか調べたり、血液中のウイルスDNAを検出する方法などがあります。

帯状疱疹の治療法

抗ウイルス薬としては、アシクロビル、ビダラビン、バラシクロビル、ファムシクロビルなどが有効です。ただし、これら抗ウイルス薬には、帯状疱疹を根絶させることは出来ず、あくまで増殖を抑止させるためものものであるため、初期状態にいかに早く対処するかが鍵となるようです。急性期の疼痛については、ステロイドを用いて痛みを抑えるなどがあります。帯状疱疹は収まった後も神経系統に潜伏するため、神経痛などの後遺症が残ることがあり、眼に関係する顔面神経に痛みが出ると、視力に影響が出たりすることがあります。 薬物治療について以下のようなものがあります。 ノイロトロピン(ワクシニアウィルス接種家兎皮膚抽出液) 抗うつ薬。 非オピオイド アセトアミノフェン 非ステロイド系抗炎症薬 (保険対象外) オピオイド(麻薬除く) (トラマドール) 麻薬 (コデイン、塩酸モルヒネ、フェンタニル) 漢方薬〜桂枝加朮附湯など(保険対象外) 塩酸メキシレチン (保険対象外) プレガバリン。 カプサイシン、アスピリン、硝酸イソソルビドなど(保険対象外) 神経ブロック イオントフォレーシス(保険対象外) 低出力レーザー(保険対象外)

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帯状疱疹にかかったときの注意

患部の水疱を潰したりすると他者への感染につながります。そして何より帯状疱疹の痛みはとても強いものですので、触らずにガーゼなどで保護するのがよいでしょう。 痛みについては、冷えると痛みが増す傾向があります。患部を冷やさず温めるようにします。また、発症中は小さな子どもとの接触も禁物です。水ぼうそうにかかったことのない子どもは、帯状疱疹が感染ってしまうと、水ぼうそうを発症してしまいます。十分注意が必要ですね。

日頃から再発防止対策

免疫力が低下してくる高齢者について、帯状疱疹には水疱ワクチンを投与することで免疫力を引き上げることができますが、基本的には、過度な疲労や、ストレスが大きな原因となるため、予防としては規則正しい生活を心がけることが一番の予防です。結局他の病気と同じように無理をしないことが再発防止となります。 ストレスがどれ程かかっているかはなかなか自覚して推し量れるものではありあませんが、明らかに無理をして働きすぎているなというのは自覚できるかと思います。忙しいお仕事を放っておけないというのもわかりますが、健康あってのことですから、からだの声を聞いてあげることが大切ですね。

いかがでしょう。ちょっと虫刺されにしては痛みやかゆみが強い、また全体的に体がだるいなど、これはちょっと普通じゃないな?と思ったらまずは病院にかかってみましょう。早期治療で痛みや快復までの期間がかわってくるはずです。

この記事のライター

chidai

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