緊急事態宣言が解除され、街には日常が戻ってきました。夜の街も再開し、人の流れも増えてきたように思われます。しかし街の様子は以前とはやはり変わってしまったように感じます。
四六時中マスクを着用する人々、人との距離を保ちながら歩く通行人、消毒液を設置している店舗の多さ。
これらはコロナ以前にはそう多く見られなかったものです。
けれども感染者もまだまだ二桁増を記録し続け、第二波がいつおきてもおかしくない現状を考えると仕方がないようにも思えます。
このような窮屈な生活が一体いつまで続くのかは、誰もわかりません。
そこで今回は、ほぼ100%に近い通行人が着用しているマスクに焦点を当ててみたいと思います。
新型コロナウイルスに対し、マスクの効果はどれほどあるのかお伝えいたします。
マスクの効果は主に4つ
まず第一に、マスクの着用が全くの無意味であるかというとそうではありません。
主なマスクの効果は次のとおりです。
①『感染(する)リスクを下げる』
医療現場では「N95」という名前のマスクも使われています。しかしこれは結核など感染力が強い感染症にかかった患者を診るときに着用する特殊マスク。こちらは「医療従事者の感染予防」が目的となります。編み目が細かいため息苦しく、長い間、装着できません。
②無意識に手で鼻や口を触るのを防ぐことで、接触感染を防ぐ
私たちは1日で何回、口や鼻を触るのか。オーストラリアの研究で明らかになっています。26人の被験者(学生)は平均で1時間に23回、口や鼻、目に触っていたといいます。
つまり、マスクを着けていると物理的にマスクが邪魔になるため、口や鼻に触らなくなります。新型コロナウイルスは接触でも感染しますから、マスクを着けておくと手に付着したウイルスが口や鼻の粘膜に付くことを予防できます。
③気道の乾燥を防いで粘膜を守る効果。
気道は分泌物を痰として出すことで中に入ってきたウイルスや細菌など病原体を除去しています。気道が乾燥すると分泌物が減り、病原体が除去されなくなります。また、気道の粘膜には免疫システムが備わっているため、乾燥によって粘膜が傷害を受けると免疫システムも弱まってしまいます。
④「感染していた場合、飛沫によって人に感染させるのを防ぐ」
新型コロナウイルス感染症でも症状がほとんどない人、軽い人がたくさんいるといわれ、その人たちが知らぬ間に感染を広げていると考えられています。
普通の会話でもしぶきが飛んでウイルスを感染させるリスクがあります。常にマスクをしていれば、それを防ぐことができます。マスクは自分の身を守るためだけでなく、相手の身も守るためにつけるべきです。不織布のマスクが手に入らず困っている人が多いでしょうが、人に感染させることを防ぐの目的であれば、ガーゼのマスクで十分です。2~3枚を洗って使えばいいと思います。
ガーゼは不織布に比べて目が粗いので、感染リスクを下げる力は弱いものの、無意識に手で口や鼻を触らないことや、気道の乾燥を防ぐ、人に伝染させないといった効果は期待できます。
素材より大事なのはマスクの付け方
医師が重視するのは、マスクの付け方です。電車などに乗っていると鼻を出してマスクを着けていたり、オフィスで会話をするときにマスクを外していたりする人がいます。
マスクは話すときに飛び出ている細かい飛沫を遮断するためにも重要です。マスクを着用する意味が分かっていない人が多いように思います。会話をするときにわざわざ外す人がいますがマスクを着用したままが大前提です。
正しいマスクの付け方
まとめ
新型コロナウイルスは人の目には見ることができません。だから感染させるリスクを下げるために、正しい付け方をしなければなりません。新型コロナウイルス感染症が急速に拡大している今、すべての人が常にマスクの着用をしてほしいものです。
ちなみに、健康増進やストレス解消のために家の周りや公園をウォーキングしたり、犬の散歩をしたりときは、人との接触がなく感染のリスクが低いためマスクは不要です。