食中毒を起こすノロウイルスに関する正しい知識と予防対策!冬は要注意!

食中毒を起こすノロウイルスに関する正しい知識と予防対策!冬は要注意!

2018/01/28
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ノロウイルス感染症とは?

ノロウイルス感染症は、乳幼児から高齢者までの幅広い年齢層に急性胃腸炎を引き起こす、ウイルス性の感染症です。長期免疫が成立しないため何度もかかってしまいます。

主に冬場に多発し、11月頃から流行が始まり、12〜2月にピークを迎えますが、年間を通して発生します。
原因ウイルスであるノロウイルスの増殖は人の腸管内のみですが、乾燥や熱にも強いうえに自然環境下でも長期間生存が可能です。 感染力が非常に強く、少量のウイルス(10〜100個)でも感染します。

ノロウイルスはどうやって感染できますか?

このウイルスの感染経路はほとんどが経口感染で、次のような感染様式があります。

  1. (1)患者のノロウイルスが大量に含まれる糞便や吐ぶつから人の手などを介して二次感染します。
  2. (2)家庭や共同生活施設などの接触する機会が多いところでヒトからヒトへ飛沫感染等直接感染します。
  3. (3)食品取扱者(食品の製造等に従事する者、飲食店における調理従事者、家庭で調理を行う者などが含まれます)が感染しており、その方を介して汚染した食品を食べた場合が感染しあます。
  4. (4)汚染されていた二枚貝を、生または十分に加熱調理しないで食べた場合が感染します。
  5. (5)ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道を消毒不十分で摂取した場合が感染します。

ノロウイルス感染症の特徴

①主に冬期に多く発生

②アルコール消毒剤や熱に対する抵抗力がある

③感染力が非常に強い

④一度かかっても、何度も感染する

どんな症状?

①潜伏期間は、12~48時間

②突発性の嘔吐・吐き気、腹痛から水様性の下痢症状

ノロウイルスが体内に入った後、小腸の上皮細胞で増殖し、胃の運動神経の低下・麻痺が伴うために主に腹痛・下痢・吐き気・嘔吐の症状を引き起こします。潜伏期間は12〜48時間ぐらいです。
胃をひっくり返すような嘔吐もしくは吐き気が突然強烈に起きるのが大きな特徴です。

発熱は約37〜38℃の軽度で、大人では吐き気や腹部膨満感といった症状が強いです。発症後、通常であれば1〜2日程度で症状は完治します。
下痢は水様性で、重症例では1日に十数回も見られますが、通常は2〜3回で止まります。その他の症状としては、発熱のほか、筋肉痛、頭痛などが見られますが、後遺症が残ることもなく、いずれも軽い症状です。

症状のない「不顕性感染」に注意

ノロウイルスに感染したにもかかわらず、嘔吐などの特別な症状が出ないまま便中にウイルスを排出され、これは「不顕性感染」と言います。無症状でも、身近な人に症状がある場合は自身も感染している可能性が有る為、無自覚のままで感染源となる場合があります。

かかってしまった時の対処法

現在、このウイルスに効果的抗ウイルス剤はありません。特に体力の弱い乳幼児、高齢者は、脱水症状を起こしたり、体力を消耗しないように、水分と栄養の補給を充分に行いましょう。乳幼児の場合、ジュースや牛乳などの濃い飲みものを与えたり、一気に飲ませると吐き戻してしまうので注意してください。脱水症状がひどい場合には病院で輸液を行うなどの治療がお勧めです。
 下痢止め薬は、ウイルスが腸管内に溜まり、病気の回復を遅らせることがあるので使用しないことが望ましいでしょう。感染が疑われる場合は、医師にご相談下さい。
 

保育園、学校や高齢者施設等で発生した時は早く診断を確定したら、適切な対症療法を行うとともに、感染経路を調べ、感染の拡大を防ぐことが非常に重要です、速やかに医師にご相談下さい。

汚物の処理

嘔吐物や排泄物には、ノロウイルスが大量に存在しています。
感染の拡大を防ぐ為に、「すばやく」「適切に」処理してください。

①使い捨ての手袋、エプロン、マスク、くつカバーなどの個人防護具を着用する

②処理をする人以外は、汚物に近づかない

③効果的な殺菌剤を使う

④十分に換気をする

⑤ウイルスは広く飛散し、高く舞い上がる可能性があるため、広い範囲での壁や床を洗い

⑥処理後には手洗いを2度行い、嗽をする

感染を拡大させない対策

感染経路をキチンと把握する

ノロウイルスは主に経口感染で、ノロウイルスに汚染された二枚貝、主に牡蠣等を摂取することで感染します。ご家庭では、感染者の便や嘔吐物に触れた手指で取り扱う食品などを介して、二次感染を起こすことが多いです。

  • しっかり手洗い・消毒し、感染をストップさせる
  • うがいでしっかり予防する
  • 感染拡大防止のため、洗浄・除菌を行う

ノロウイルスについてはワクチンがなくて、治療方は輸液などの対症療法に限られています。
 従って、皆様の周りの方々と一緒に、ご家庭などでできる予防対策を徹底しましょう!

  • しっかり手洗い

特に食事の前、トイレの後、調理前後は、石けんでよく洗い、流水で十分に流します。
消毒用エタノールによる手指消毒は、石けんと流水を用いた手洗いの代りにはなりませんが、すぐに石けんによる手洗いが出来ないような場合、あくまで一般的な感染症対策の観点から手洗いの補助として用いてください。

  • 人からの感染を防ぐ

家庭内や集団生活の施設でノロウイルスが発生した場合、感染した人の便やおう吐物からの二次感染や、飛沫感染を予防するのが大切です。
ノロウイルスが流行する冬は、乳幼児や高齢者の下痢便やおう吐物に大量のノロウイルスが含まれているので、オムツ等の取扱いには十分注意してください。

  • 食品からの感染を防ぐ

  1. 加熱して食べる食材は中心部までしっかりと火を通します
    二枚貝等ノロウイルス汚染のおそれのある食品の場合、ウイルスを失活させるには、中心部が85℃~90℃で90秒間以上の加熱が必要です。
  2. 調理器具や調理台は「消毒」して、いつも清潔を保つ
    まな板、包丁、食器、布巾などは使用後すぐに洗います。
    熱湯85℃以上で1分以上の加熱消毒が有効的です。

(参考)

ノロウイルスに関するQ&A厚生労働省

この記事のライター

mita

mita

大阪在住、28歳のビガーネット編集部員。 広報担当。街中の話題の情報をキャッチするのが得意。趣味は...