新型コロナの変異株は怖い?

新型コロナの変異株は怖い?

2021/03/29
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春は桜の季節です。ポカポカ陽気と合わさり、とても気分が良くなります。道路沿いに凜と咲いているチューリップも赤や黄と色鮮やかに咲き誇っております。

このような光景を見ていると、つい浮かれてしまい、うきうき気分になるはずですが、今年は…いえ。昨年も今年もまったく浮ついた気分になどならない。皆さんそのようにお考えではないでしょうか。それは当たり前かもしれません。国内ではついこの間まで緊急事態宣言が発令されていました。新型コロナ感染者が一時期、一日2000人を超えるなど、大幅な感染者増が発生していたからです。

足元では大阪でも感染者が増加しております。飲食店も時短営業を余儀なくされている地域もあり、このような環境では春を楽しむ気分にもなりません。マスクもいつになったら外せるのか分かったものではありません。専門家は少なくとも2年は外せないなどと言っているようですが、冗談ではありません。

ただ良いニュースもありました。新型コロナウィルスのワクチンが米企業によって開発されたというニュースです。このワクチンは日本にも届いてきており、現在は医療従事者から順番に接種が始まっています。年内には多くの国民がワクチンを接種し終わるでしょう。

しかし、コロナへの警戒感が薄れ切ってはいない感じがまだまだします。これはなぜでしょうか。実はコロナウイルスが変異しているという衝撃の事実が明らかになったからです。変異株とはそもそも何なのでしょうか。ワクチンは効くのでしょう。そのあたりを詳しく説明していきます。

変異とは

普通、ウイルスは常に少しずつ変異するということが知られています。これはインフルエンザ感染にワクチンは毎年変わるのですが、常に変異しているためです。その年の流行ウイルスに効果が少ないのです。
新型コロナは約3万塩基で構成されたRNAウイルス。この塩基が約2週間で1カ所程度の速度で変異していると、現在では考えられています。変異速度はインフルエンザの変異速度の50%、AIDSウイルスの約25%と言っている人がいます。これはかなり遅いようです。

通常このようなウイルスの変異は、感染力の強さや重症化に変化を及ぼすことは少ないのです。英国で確認されたコロナ変異株はなんと29の変異が見つかっていると報告されています。
現在の変異株は、実はヒトのウイルス受容体に結合するタンパクに変異がおきています。

この変異によりACE2受容体に強固に結合すると分かってきているらしいです。この変異株は感染性が60~70%増加しているという事実が判明してきています。しかしこれは、重症化に関与するかどうかは不明です。正直現在のところ否定的なのです。

日本の概況

  • ウイルスの遺伝子解析は国内症例全体の約5.8% (註:患者報告から検体輸送やゲノム情報解析まで数週間かかるため、解析割合としては過少評価である。)について行われてきた。 参考)国内のゲノム確定数 26,111検体、空港検疫のゲノム確定数 817検体(共に2021/3/3現在)。
  • 2020年12月25日、英国からの帰国者の空港検疫の検査陽性者からVOC-202012/01が初めて検出された。12月28日には、501Y.V2を南アフリカ共和国からの帰国者から検出した。2021年1月6日には、1月2日にブラジルから到着した渡航者4名から新型コロナウイルスの新規変異株を検出した(46)。
  • 神戸市では、神戸市所管の全新規陽性者の検体のうち約60%について変異株の検査をしており、直近の2月12日から18日の週において、陽性者数に占める変異株の割合は15.2%であったことを報告した(48)。
  • 公表データからのまん延状況の解釈については慎重に行う必要があるが、統計学的な推定では、2月12日から18日の週の時点で神戸市内で指数関数的に増加している段階ではないと考えられる。
  • VOCに関するサーベイランスの感度が急激に向上しつつあり、またクラスターの報告の影響や地域差がある状況での報告数からの分析は慎重に解釈する必要があるが、緊急事態宣言下で全国的には実効再生産数が1を下回る中でも、VOC-202012/01感染者が増加傾向にある可能性がある。いずれにしても、国内のVOCの感染状況については、感染者の報告から変異の検出・確認に要する時間遅れも考慮する必要がある。
  • 国立感染症研究所ではVOC-202012/01、501Y.V2、501Y.V3のいずれも分離に成功している。

引用 https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/10220-covid19-36.html

まとめ

変異ウイルスにワクチンが効かないという情報は今のところ報告されていないことが分かります。ただインフルエンザですら毎年変異するので、心配しすぎることにも注意が必要かもしれません。


この記事のライター

mita

mita

大阪在住、28歳のビガーネット編集部員。 広報担当。街中の話題の情報をキャッチするのが得意。趣味は...