コロナの感染者がめっきり減りました。わたくしも正直驚いています。大阪でも2桁になりましたし、東京に至っては約1300万人中20人前後と驚異的な減少となっています。数千人が一日に感染していた日々が嘘のような減少具合です。
「このままコロナが収束し、以前の日常がもどってくるのだろうなぁ」と思いたいですが、実はそうはならないという意見があります。
一体どういうことなのかご説明します。
コロナ前に生活が戻らない理由
●野村総合研究所(NRI)では、コロナ禍が収束した場合の生活者の消費価値観や生活行動を把握するため、2021年7月に全国18,800人を対象とした大規模インターネット調査を実施した。
●ワクチンの接種状況と新型コロナウイルスに対する不安感について分析すると、両者の間には強い相関がある。新型コロナウイルスに対する不安がない人(9%)ほどワクチン接種に消極的であり、若年層ほどその傾向が強い。
●コロナ禍が完全収束した際の消費意向をいくつかの項目で見ると、これまで抑制していた消費の反動、いわゆる「リベンジ消費」が起こる分野や規模は限定的と言えそうである。「国内旅行」は比較的支出意向が強いものの、5割近くが「コロナ禍以前の水準には戻らないだろう」と回答している。
●「コロナ禍以前の生活状態に完全に戻る」と考える人は25%しかおらず、75%は「完全には戻らない」と考えている。その理由を見ると、「オンライン化・デジタル化が浸透した今の生活様式に慣れた」、という意見が20%近くあり、コロナ禍でなかば強制された生活のデジタル化が、生活者の意識変容にもつながっていることがわかる。
●企業は、これまでの売り方のもとでの「リベンジ消費」を楽観的に期待すべきではない。むしろデジタル化が生み出した生活者の意識変容や、新たなニーズ(例:自宅での料理を楽しむ)をビジネスチャンスと捉え、「リベンジ需要」を狙うよりも「新需要」を開拓すべきである。
出典 https://www.nri.com/jp/knowledge/report/lst/2021/cc/1018_1
つまり、多くの職種でリモートワークやデジタル化が浸透したため、コロナ禍のように大勢が外出しないのではないかということを言っています。
こちらはデータやアンケートに基づいた大変興味深い調査結果です。
リベンジ消費は起こらない?
本調査では、コロナ禍が完全に収束した場合を想定し、外食や旅行など各活動への支出意向がコロナ禍以前の水準まで戻るかどうか、ワクチン接種と意向への関係性を分析した。まず活動の全体傾向を示したものが図3である。例えば国内旅行については、「コロナ禍以前の水準よりもさらに多くする」「コロナ禍以前の水準に戻す」の合計が半数程度になるものの、それ以外の活動ではそれらの合計割合が4割強の水準であり、現在の自粛(制限された)生活のまま変わらないと回答した人が多い。
「コロナ禍以前の水準よりもさらに多くする」と回答したのは、どの活動でも1割未満であり、リベンジ消費による経済活性化は限定的とみてよさそうだ。
出典 https://www.nri.com/jp/knowledge/report/lst/2021/cc/1018_1
なんとリベンジ消費は起こるのですが、効果は限定的と書かれています。
コロナの感染がおさまったから、何もかもが元通りになると考えるのは早計かもしれません。
夜の街の人出はどうか
これらの調査結果を見るに、夜の街の人出の回復にも影響を与えるということが分かります。理由ですが、これまで仕事帰りに飲んでいた人たちがリモート勤務となると、外出回数が減り、その分夜の街への訪問が減ってしまう恐れがあります。
こうなった場合、一店舗での対策は難しく、複数の店舗やエリアごとの対策を講じていく必要があります。
オンライン文化は進むか
今以上にオンライン文化は進むでしょう。しかし、夜の街が簡単に廃れていくとは思えません。なぜかというと、人の温もりというのはオンラインでは味わえないからです。
リモートキャバクラだけではやはり満足できない。という意見が大勢となるようなオンライン疲れがどこかで起きるのではと思っています。
まとめ
いかがでしたでしょう。これはあくまで調査に基づくデータであり、人出が戻らないと断定している資料ではありません。
本当に夜の街に人が戻るかどうかは、未来人でなければわかりえません。
私たちにできることは、心を強く持ち、目の前のお客様を大切にする。ということを地道に積み重ねるに尽きます。