テレビを付けニュースを見ると、新型コロナウイルスのニュースがトップニュースになることはめっきり減ってきました。一時期は新型コロナの感染者数が発表されるたびに、緊急速報が画面の上の帯に流れていましたよね。これは感染状況が以前ほど深刻ではないということの証左のように思われます。
しかし、まだそのように思うのは早計です。
そもそもコロナウイルスの感染者は大幅に減っているわけではありません。11/29の東京都の感染者も1万4680人です。感染の勢いは止まったのではなく、高止まりし継続しているとみるのが適切でしょう。
しかし、世間ではマスクしてない人も見かけるようになりましたし、コロナウイルスの感染対策レベルを引き下げるべきだという議論までもが巻き起こっています。
これは一体どういうことなのでしょうか。
新型コロナウイルスの現状についてご説明いたします。
5類相当に引き下げる動きも
加藤厚生労働大臣は、新型コロナを感染症法の「2類相当」から「5類」に見直す検討を本格的に始める方針を示しました。
新型コロナは現在、入院勧告や就業制限など厳しい措置をとれる感染症法上の「2類相当」と位置づけられています。
政府は「2類相当」から季節性インフルエンザ並みの「5類」に引き下げる検討をしてきました。
加藤厚労大臣はきょうの会見で分類見直しについて本格的な議論を進める方針を示しました。
【加藤厚労大臣「最新のエビデンスに基づき、総合的に早期に議論を進めていきたいと考えております」】
来週にも成立する見通しの改正感染症法の付則で、分類を検討するよう求める文言が盛り込まれていることから、議論を進める考えです。
出典 https://news.yahoo.co.jp/articles/c0c9be1fb94d99902a25c3aae7f3088ac722fe29
5類相当は適切か
感染が東京都だけでも1万人を超えているのが現状です。感染拡大が収まっていないのに5類相当への引き下げは適切なのでしょうか。
実は政府の本音は出来るならばコロナの感染者をゼロに封じ込め、それから5類に引き下げたいというものだと思われます。
しかしこれは今となっては叶わぬ願いです。
隣国・中国はゼロコロナ政策をとっていますが、コロナは終息していないことからも分かるように、ゼロに封じ込めることは極めて困難です。
そこで日本政府は新型コロナの感染対策を行いつつ、経済活動も再開させるというある意味妥協案を採択しました。これは市民生活でも基本的な感染対策は行うが、締め付けを厳しくしすぎないというものです。
ここから鑑みるに、コロナの脅威は以前よりは薄れたということが背景にあります。
実は新型コロナウイルスは感染者数こそ高止まりしていますが、死者数は減少しています。
毎日200人を超えていた死者数が100人程度に減少しました。とはいえ、直近では200人を超える日も出てきたため、油断は禁物です。
主流株について
世界で流行する新型コロナウイルスの99%以上がオミクロン株となりました。しかしオミクロン株にも様々な亜型が存在しそれらが出現と消滅を繰り返しながら現在も変化を続けています。
近年では世界の多くの国で広くワクチン接種が行われていることから、ウイルスの感染力だけでなく免疫回避能力(ワクチン効果減弱)の高さが流行の重要なファクターなると考えられ、表面抗原の一種Sタンパク上の変異に注目が集まっています。
出典 https://www.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/lb_virus/worldmutation/
現在の主流株はオミクロンです。オミクロンの特徴は死亡率が低いことと、感染力が非常に高いことです。
症状も重篤化せず、ほとんどが風邪を罹患したときのような状態です。
死亡率が高かったデルタ株のときとは違い、過度な感染対策をするほどではないと判断されるようになりました。
しかし、安心しきってはいけません。
オミクロン株は症状こそ軽度と数多く報告されていますが、インフルエンザのような特効薬は未だに存在していません。
オミクロン株に罹患しても、対症療法しかできず自然治癒を待つということになります。そのため、副作用にに悩む方が大勢出てています。
味覚が戻らない、具合が悪い、ずっと熱が出ているような状態になる―。副作用は実に様々な症状がありますが、中には目立った改善がないという報告もあります。
もちろん大抵は時間とともに自然と良くなっています。
まとめ
新型コロナウイルスの現状についてご説明いたしました。現在の感染対策の緩和策は経済のため、止むを得ず行っているものであり、コロナの脅威そのものがなくなったわけではないということが分かって頂けたかとおもいます。
5類相当に引き下げられたとしても、やりすぎる必要こそありませんが、気を緩めず感染対策は行っていくのが賢明です。