新型コロナが「5類」に見直されるとどうなる?

新型コロナが「5類」に見直されるとどうなる?

2023/01/28
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新型コロナウイルスの感染法上の位置付けが、来春から2類から5類に見直されることに決まりました。

しかし、そもそも5類とは何なのか。一般人にとって馴染みがない分類なのでいまいち実感が湧かないという方がほとんどだと思います。

今回は新型コロナが「5類」に見直されるとどうなるかについて、ご説明致します。

新型コロナの5類移行は5月8日

政府は26日、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを現在の「新型インフルエンザ等感染症」から季節性インフルエンザと同等の「5類」にする移行日を、5月8日とする方針を固めた。岸田文雄首相と加藤勝信厚生労働相ら関係閣僚が首相官邸で協議し、確認した。27日に新型コロナ感染症対策本部を開き、正式決定する。

 また全額公費で負担している治療や入院にかかる医療費については、治療薬の無料提供を続けるなど一定の公費負担は残し、過度な患者負担が生じないようにする。医療機関への支援や補助は、3月初めごろまでに方針を決める。緩和する方針のマスク着用は屋内・屋外を問わず、個人の判断に委ねる。

出典 https://mainichi.jp/articles/20230126/k00/00m/010/257000c

5類感染症とは

5類感染症は、感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)が定める感染症の5類型のうちの一つ。感染力や重篤性などに基づく観点から見た危険性が最も低いとされるものです。季節性インフルエンザや麻疹、風疹、感染性胃腸炎、RSウイルス感染症なども分類されています。

5類は一般医療機関の受診や入院が可能

現在の2類相当という位置づけでは、コロナ患者を受け入れる医療機関は感染対策がとられている「発熱外来」などに限られるのです。入院は感染制御が可能な設備のある指定医療機関です。

自治体は入院勧告、就業制限、外出自粛、健康状態の報告の要請などができます。そのため、検査・治療費、ワクチン接種は無料(公費負担)。5類になれば、季節性インフルエンザ並みに変更され、入院勧告、就業制限、外出自粛、健康状態の報告などの要請がなくなります。

一般医療機関の受診や入院が可能となります。

現在は「新型インフルエンザ等感染症」に分類されている感染症は、その治療薬や診療費などが公費負担となっています。就業制限や入院勧告、感染の恐れがある人に対する健康状態の報告要請、外出自粛要請などの措置も実施できるのです。

しかし、新型コロナがここに分類されたため、感染者の全数把握と追跡で保健所の業務負荷が高まっただけでなく、入院先が指定医療機関に限定されたため一部の医療従事者への負担が過度に集中するなどの問題点が生じていました。

重症度が低いオミクロン

類型見直しの理由としては、現在流行のオミクロン株が2021年夏に流行したデルタ株よりも重症化率、致死率ともに低下したためです。60歳以上の重症化率、致死率は第5波(デルタ株)の4.72%、3.71%から第7波(オミクロン株)は0.14%、0.475%とそれぞれ大幅に低下しました。

感染者が検査や治療を受けなくなる懸念も

新型コロナが5類に見直されることによる課題として、治療費が公費で負担されなくなり、感染者が検査や治療を受けなくなる。ワクチン接種の際に自己負担が発生すれば接種率が低下する。保健所が健康管理をしなくなるため、容体が急変する患者を把握できなくなる等が挙げられます。

幅広い医療機関での診療や入院が可能となりますが、動線分離が難しい医療機関が少なくないので協力がどれだけ得られるか不明です。

新型コロナの類型見直しは医療費の負担のあり方なども関係しており、今後の議論や判断の行方に注目です。

この記事のライター

アイ

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